門前の小僧、『維摩経』を読む  維摩会(春秋館)で参禅ライフ16

仏と菩薩と聖声聞と独覚との過去現在未来のすべてに礼拝し奉ります。

それでは、一章の「仏国品」の続きを、ご一緒に読んでいきましょう。

十善は是れ菩薩の浄土なり。菩薩成仏の時、命中夭(わかじに)せず、大富にして、梵行し、言う所誠諦にして、常におだやかなる語を以てし、眷属離れずよく争いを和し、言必ず饒益し、妬まず、怒らず、正見の衆生来って其の国に生ぜん。

是の如く宝積、菩薩其の直心に随いて則ち能く行を発し、其の発行に随いて則ち深心を得、其の深心に随いて則ち意調伏し、意の調伏に随いて即ち説の如く行し、説の如く行ずるに随いて則ち能く廻向し、其の廻向に随いて則ち方便有り、其の方便に随いて則ち衆生を成就し、衆生を成就するに随いて副ち仏土浄く、浄土の浄きに随いて即ち説法浄く、説法の浄きに随いて則ち智慧浄く、智慧の浄きに随いて則ち其の心浄く、其の心の浄きに随いて則ち一切の功徳浄し。

「十善」とは、不殺生・不偸盗・不邪淫・不妄語(ウソをつかないこと)・

不両舌(人を仲違いをさせるようなことを言わない)・不悪口・不綺語

(人心を惑わすような言葉を言わない、人のご機嫌をとって気に入られるために

お世辞を言わない)・不貪欲・不瞋恚・不邪見のことで、

十善戒(十の項目よりなる善なる戒め)ともいいます

十悪を犯さないよう、気を付けたいものです。

スジャータの村(筆者撮影)